キシリトールの効果でお口を守ろう!キシリトールガムについて
こんにちは、あゆみ歯科クリニックです。日常生活の中で、仕事の合間や食後にキシリトールガムを噛む習慣がある方も多いのではないでしょうか。店頭にはさまざまなキシリトールを含む製品が並んでいますが、その効果や選び方について詳しく知っている方は意外と少ないかもしれません。今回は、キシリトールガムがどのように虫歯予防に役立つのか、そしてどのように製品を選べば効果的なのかについて、詳しくご説明します。
目次
キシリトールとは?
キシリトールは、自然界に存在する甘味料で、果物や野菜に含まれている成分です。WHO(世界保健機関)やFDA(アメリカ食品医薬品局)などの公的機関でもその安全性が確認されており、アメリカでは「摂取量に制限がない食品」とされています。砂糖に比べてカロリーは約25%低いのですが、甘さはほぼ同じです。そのため、ガムやキャンディー、チョコレートなど、砂糖の代替として幅広く利用されています。
キシリトールが虫歯予防に効果的な理由
キシリトールはただ甘味を楽しむためのものではなく、虫歯予防に対して非常に効果的であることが研究で示されています。では、なぜキシリトールは虫歯を防ぐのでしょうか?その理由を詳しく見ていきましょう。
1. ミュータンス菌の働きを抑制する
一般的な糖分を含む食品を食べると、口内にいるミュータンス菌がそれを利用して酸を作り出し、その酸が歯の表面を溶かすことで虫歯が発生します。しかし、キシリトールはミュータンス菌が酸を作ることを防ぎ、さらにその活動を弱めます。その結果、キシリトールを摂取すると虫歯の原因となる酸の生成が抑えられ、虫歯になりにくい口内環境を維持できるのです。
2. 唾液の分泌を促進し、再石灰化を助ける
キシリトールを含むガムを噛むと、唾液の分泌が促されます。唾液には、酸によってダメージを受けたエナメル質を修復する効果があります。特に、キシリトールは歯の再石灰化(エナメル質を再生するプロセス)を助ける効果があるため、虫歯の初期段階での進行を食い止めることができるのです。
効果的なキシリトールガムの選び方
キシリトールガムを選ぶ際に重要なのは、その製品が本当に効果的な成分を含んでいるかどうかです。ここでは、キシリトールガムを選ぶ際に注目すべきポイントをいくつかご紹介します。
1. キシリトールの含有量を確認する
市販されているキシリトールガムの中には、キシリトールの含有量が少ないものもあります。一般的に、50%未満のキシリトールを含むガムも存在しますが、効果的な虫歯予防にはキシリトール100%のものを選ぶことが望ましいです。キシリトールの含有率が低いと、他の甘味料(砂糖やブドウ糖など)が含まれ、それが逆に虫歯を引き起こす原因となる可能性があります。歯科医院で販売されているガムは、キシリトールが100%含まれているものが多く、より高い虫歯予防効果が期待できます。
2. リン酸カルシウム配合の製品を選ぶ
キシリトールの効果をさらに高めたい場合は、リン酸カルシウムが含まれている製品を選ぶと良いでしょう。リン酸カルシウムは、歯の再石灰化を促進する成分で、初期の虫歯の修復を助けます。これにより、虫歯の進行をさらに防ぐ効果が期待できます。
キシリトールガムの効果を最大化する方法
キシリトールガムを噛むだけで虫歯予防に効果があるとはいえ、効果を最大限に引き出すためには、正しい摂取方法を守ることが重要です。
1. タイミングが重要
キシリトールガムを噛むタイミングは、食後や歯磨き前などが最適です。特に食後は、酸性になった口内のpHを中和し、唾液の分泌を促進するため、効果が高まります。
2. しっかり噛むことが大切
ガムを噛む時間も重要です。最低でも5分、可能であれば10分以上噛むことで、キシリトールの効果がしっかりと発揮されます。長時間噛むことで、唾液が十分に分泌され、口内の酸を中和し、虫歯予防効果が最大限に高まります。
キシリトールガムだけに頼らない口腔ケア
キシリトールガムは、手軽で効果的な虫歯予防の方法ですが、それだけに頼るのは避けましょう。毎日の正しい歯磨きや歯間ブラシ、デンタルフロスの使用と組み合わせることで、総合的な口腔ケアを実現し、虫歯や歯周病のリスクを大幅に減らすことができます。
あゆみ歯科クリニックでは、皆さんのお口の健康を守るために、これからも役立つ情報を発信していきます。次回の更新もお楽しみに!
医療法人隆歩会 あゆみ歯科クリニック京田辺花住坂 院長 大毛翔吾