ふと気づくと、口がぽかんと開いていませんか？大人でも子どもでも、無意識のうちに口呼吸が習慣になっているケースは少なくありません。口呼吸は、風邪や虫歯、さらには歯並びや顔つきの変化にまで影響を及ぼす可能性があります。

この記事では、口呼吸が体に与える影響や、鼻呼吸の重要性、そしてご家庭でできる改善のための対策をまとめてご紹介します。

 

口呼吸が体にもたらす影響とは？

虫歯や歯周病が起こりやすくなる

口呼吸が習慣になると、口の中が乾燥しやすくなります。唾液の分泌が減ると、歯の表面を洗い流す作用が弱まり、プラーク（歯垢）がたまりやすくなって虫歯や歯周病のリスクが高まります。

特にお子様の場合、歯のエナメル質が薄いため虫歯の進行も早く、日頃の呼吸習慣が健康に大きく関わります。

 

歯並びや顔立ちへの影響

口が開いたままの状態が続くと、舌が上あごにつかず、本来の位置を維持できなくなります。これが、上あごの発育不足や歯並びの乱れにつながり、出っ歯や受け口、開咬などの不正咬合を引き起こす原因になります。

さらに、口周りの筋肉も使われにくくなり、顔の輪郭がぼんやりするなど、見た目にも影響が出ることがあります。

 

風邪をひきやすくなる

鼻にはウイルスや異物を取り除くフィルター機能がありますが、口から直接空気を取り込むとその機能が働きません。乾燥した空気がのどの粘膜を刺激し、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなります。

アレルギーの悪化やいびきの原因にもなるため、見逃せないポイントです。

 

鼻呼吸の重要性と健康効果

鼻呼吸は空気を湿らせ、温度を調整するだけでなく、異物を除去するという大切な働きがあります。また、舌を正しい位置に保つことで、あごの成長をサポートし、歯並びの改善にもつながります。

さらに、鼻呼吸を習慣づけることで、呼吸の質が向上し、集中力や睡眠の質にも良い影響を与えるといわれています。

 

家庭でできる！口呼吸改善のためのポイント

 

2. 寝ている間のケア

睡眠中に口が開いてしまう方には、口閉じテープの使用がおすすめです。安全な素材で作られた専用テープを貼ることで、無意識の口呼吸を防ぎ、朝の喉の乾燥を和らげる効果があります。

 

3. あいうべ体操を取り入れる

口呼吸を防ぐには、舌と口周りの筋肉を鍛える「あいうべ体操」が効果的です。「あー」「いー」「うー」「べー」と発声しながら大きく口を動かすことで、自然と口を閉じやすくなります。

 

口呼吸のサインを見逃さない

以下のような様子が見られる場合、口呼吸が習慣化している可能性があります：

・常に口が開いている
・朝起きたときに喉が乾燥している
・唇がカサカサしやすい
・口臭が気になる
・いびきをかく
・鼻づまりがないのに口で呼吸している

こうした兆候が複数当てはまるようであれば、専門の歯科や耳鼻科での相談も検討しましょう。

 

まとめ｜鼻呼吸は体を守る自然な仕組み

口呼吸は、見た目の問題だけでなく、虫歯・風邪・アレルギー・顔つきの変化など、体全体に広く影響を及ぼします。特に成長期のお子様には、日々の呼吸習慣が将来の健康を左右する重要な要素です。

まずは気づくこと、そして無理なく少しずつ生活の中で鼻呼吸を取り戻す工夫をしてみましょう。親子で一緒に取り組めば、自然と健康的な習慣が身につくはずです。

 

医療法人隆歩会　あゆみ歯科クリニック京田辺花住坂
院長　大毛 翔吾

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