顎の大きさと歯の関係性について
顎の大きさは、私たちの顔の形や歯並びに大きく影響を及ぼします。特に、顎が小さいと、さまざまな歯の問題が生じる可能性があります。では、顎が小さい原因とその影響について、わかりやすく解説しましょう。
〇顎が小さくなる原因
1)遺伝的要因:親や祖父母から受け継がれる遺伝子によって、顎の大きさや形が決まることがあります。つまり、家族の中に顎が小さい人が多い場合、遺伝的に小さな顎を持つ可能性が高まります。
2)発育の問題:胎児期や幼少期に何らかの影響で顎の成長が妨げられると、顎が正常に発達しないことがあります。栄養不足や健康問題が原因で、顎の骨が十分に成長しない場合があります。
3)生活習慣:幼少期の食生活が柔らかい食事に偏っていると、顎の骨が十分に刺激されず、小さくなる可能性があります。また、長時間の哺乳瓶使用や指しゃぶりが続くと、顎の成長に影響を与えることがあります。
〇顎が小さいことによる影響
顎が小さいと、以下のような歯や歯並びへの影響が考えられます:
1)歯並びの問題:顎が小さいと、歯に十分なスペースが提供されないため、歯が重なったり曲がったりすることがあります。これを「歯列不正」と呼びます。
2)噛み合わせの問題:歯がうまく噛み合わないことで、食べ物を効率的に噛み切ることが難しくなることがあります。これにより、消化不良や栄養摂取の問題につながることもあります。
3)顔の見た目に影響:顎が小さいと、顔のバランスが影響を受けることがあります。特に下顎が小さいと、顔の下半分が短く見えることがあります。
〇対処法
顎が小さいことによる歯並びの問題に対しては、以下のような治療が考えられます:
矯正治療:歯科矯正治療によって、歯並びを改善し、噛み合わせのバランスを整えることが可能です。なお矯正治療は、見た目の改善だけでなく、ブラッシングが隅々までできるようになったり、噛み合わせの改善により歯全体に均一に力が加わったりようになるなど、口腔機能の向上にも繋がります。
〇まとめ
顎の大きさは、遺伝的要因や生活習慣によって影響を受けることがあり、小さい顎はさまざまな歯の問題を引き起こす可能性があります。顎の問題に気づいた場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を受けることが重要です。これにより、見た目だけでなく、口腔内の健康を維持することができます。
監修;医療法人隆歩会 理事長 福原隆久